「コーヒー豆は挽きたてがおいしい」と聞いて、コーヒーミルが気になっている方は多いのではないでしょうか。ところが、いざ探してみると手動と電動、プロペラ式や臼式など種類が多く、価格も数千円から数万円までさまざまです。この記事では、コーヒーミルの種類ごとの特徴と違い、挽き目と抽出器具の関係、自分に合った1台を選ぶためのポイント、長く使うためのお手入れ方法までをわかりやすく解説します。
コーヒー豆は、粉に挽いた瞬間から空気に触れる面積が一気に増え、香りが飛んだり酸化が進んだりしやすくなります。そのため、コーヒーメーカー各社も「豆は淹れる直前に挽き、すぐに使い切る」ことをすすめています。
自宅にミルがあれば、次のようなメリットがあります。
・挽く瞬間に広がる香りを楽しめる
・豆のまま保存できるので、風味が長持ちしやすい
・ドリップ、フレンチプレス、水出しなど、淹れ方に合わせて挽き目を変えられる
・同じ豆でも挽き目を変えるだけで、味わいの違いを試せる
粉で買ったコーヒーに慣れている方ほど、挽きたての香りの違いに驚くはずです。
コーヒーミルは、大きく「手動(手挽き)」と「電動」に分けられます。
① 手動ミル(手挽きミル)
ハンドルを回して豆を挽くタイプです。電源がいらないのでアウトドアにも持ち出せ、動作音も静かです。ゴリゴリと挽く時間そのものを楽しめるのも魅力です。一方で、1杯分(約10〜15g)を挽くのにも1〜2分ほどかかり、細かく挽くほど力と時間が必要になります。
② 電動ミル
ボタンひとつで短時間に挽けるタイプです。毎朝何杯も淹れる方や、家族の分をまとめて挽きたい方には大きな助けになります。ただし、モーター音がそれなりにあり、本体も手動ミルより大きく重くなりがちです。
「1日1〜2杯をゆっくり楽しみたい」なら手動、「忙しい朝にさっと淹れたい」「一度に3杯以上淹れることが多い」なら電動、というのがひとつの目安です。
コーヒーの味に大きく関わるのが、豆を砕く「刃」の仕組みです。ポイントは粒の大きさがそろうかどうか(均一性)と、微粉(みふん)の量です。粒がばらばらだと、細かい粒からは成分が出すぎて雑味や苦味に、粗い粒からは成分が出きらず薄さや酸っぱさにつながります。
① プロペラ式(ブレード式)
プロペラのような刃が高速回転し、豆を叩き割るように粉砕します。電動ミルのなかでも手頃な価格のものが多く、構造がシンプルで扱いやすいのが長所です。反面、挽き目はボタンを押す時間で調整するため粒がそろいにくく、微粉も出やすいタイプです。使うときは、本体を軽く振りながら短く数回に分けて回すと、ムラを減らしやすくなります。
② フラット刃(臼式・フラットカッター)
平らな円盤状の刃が2枚向かい合い、そのすき間で豆を挽くタイプです。粒の大きさがそろいやすく、ダイヤルで挽き目を細かく設定できる機種が多いため、家庭用電動ミルでも主流のひとつです。
③ コニカル刃(円錐刃)
円錐形の刃が、外側の固定された刃の中で回転して豆を挽くタイプです。手挽きミルの多くや、エスプレッソ用のグラインダーにも採用されています。回転がゆっくりでも挽けるため摩擦熱が出にくく、粒がそろいやすいのが特長です。電動ミルでは比較的価格が高めの機種に多く見られます。
なお、フラット刃とコニカル刃は、どちらも上下(内外)の刃ですり潰すように挽くことから、まとめて「臼式」と呼ばれることもあります。ペーパードリップをメインに楽しむなら、プロペラ式よりも臼式(フラット刃・コニカル刃)を選ぶと、味が安定しやすいと覚えておくとよいでしょう。
刃の素材にも主に2種類あります。
① ステンレス(金属)刃
切れ味がよく、豆をシャープに切り分けられるのが特長です。電動ミルの多くはこちらです。基本的に水洗いには向かないため、ブラシでのお手入れが中心になります。
② セラミック刃
サビにくく、においが移りにくいのが特長で、手挽きミルによく使われています。なかには刃を外して水洗いできる製品もあり、清潔に保ちやすいのがうれしいポイントです。ただし、金属に比べると衝撃に弱いので、落とさないように注意しましょう。
ミルを選ぶ前に、自分がどの淹れ方をするのかを確認しておきましょう。挽き目は一般的に5段階に分けられ、粒の大きさは砂糖にたとえると次のとおりです。
① 極細挽き(上白糖くらい)
エスプレッソ、トルココーヒー(ターキッシュコーヒー)向け
② 細挽き(上白糖とグラニュー糖の中間くらい)
ウォータードリップ(点滴式の水出しコーヒー)向け
③ 中細挽き(グラニュー糖くらい)
ペーパードリップ、コーヒーメーカー向け
④ 中挽き(グラニュー糖とザラメの中間くらい)
ネルドリップ、サイフォン向け
⑤ 粗挽き(ザラメくらい)
フレンチプレス、パーコレーター向け
一般的に、細かく挽くほど成分がよく出て濃く苦味寄りに、粗く挽くほどあっさりと軽い味わいになります。器具の目安から外れすぎると、出すぎ(過抽出)や出なさすぎ(未抽出)の原因になるので注意しましょう。
ここで大切なのが、自分の使う挽き目にミルが対応しているかです。たとえばエスプレッソ用の極細挽きは、一般的な家庭用ミルやプロペラ式では対応が難しいことがあります。反対にフレンチプレス用の粗挽きは、微粉が少ないミルのほうがカップに粉が残りにくく、すっきり仕上がります。
① 挽き目を調整しやすいか
ダイヤルや目盛りで挽き目を設定できるものは、毎回同じ粗さで挽けるので味が安定します。手挽きミルでは、調整ネジのクリック数で管理できるタイプが便利です。
② 一度に挽ける量(容量)
1杯分はおよそ10〜15gが目安です。自分が一度に何杯淹れるかを考え、ホッパー(豆を入れる部分)や粉受けの容量が足りるかを確認しましょう。
③ お手入れのしやすさ
刃や粉受けが外せるか、付属のブラシがあるか、水洗いできるパーツはどこかをチェックします。毎日使う道具なので、掃除が面倒だと続きません。
④ 音・サイズ・静電気
早朝や夜に使うなら動作音は意外と大切です。また、電動ミルは挽いた粉が静電気で粉受けにくっつき、まわりに飛び散ることがあります。置き場所のサイズとあわせて、口コミなどで確認しておくと安心です。
⑤ 予算
あくまで目安ですが、プロペラ式の電動ミルは数千円程度から、臼式の電動ミルは数千円〜1万円台、コニカル刃の電動ミルは1万〜2万円程度以上のものが多く見られます。手挽きミルは数千円から購入できます。「最初は手頃なものから試し、こだわりが出てきたらステップアップする」というのも賢い選び方です。
① コーヒーを始めたばかりで、まずは挽きたてを体験したい人
数千円で買える手挽きミル(セラミック刃)がおすすめです。挽き目の調整ができ、手入れもしやすく、香りの変化をじっくり楽しめます。
② 毎朝のペーパードリップを手早く、おいしく淹れたい人
ダイヤルで挽き目を設定できる臼式(フラット刃)の電動ミルが向いています。スピードと味の安定を両立しやすいタイプです。
③ とにかく手軽さと価格を重視したい人
プロペラ式の電動ミルでも、粉で買うより香りは格段に楽しめます。短く何回かに分けて挽き、仕上がりを見ながら調整しましょう。
④ 味にとことんこだわりたい人・エスプレッソも淹れたい人
粒のそろいやすいコニカル刃の電動ミルや、エスプレッソに対応した細かい調整ができる機種を検討してみてください。
⑤ キャンプや旅行先でも挽きたてを楽しみたい人
コンパクトで電源のいらない、細身の手挽きミルが活躍します。
ミルの中に残った粉や豆の油分は、時間がたつと酸化して古いにおいの原因になり、次に挽くコーヒーの味にも影響します。次のポイントを習慣にしましょう。
・使い終わったら、付属のブラシで刃のまわりや粉受けに残った粉を払う
・油分がついた部分は乾いた布やキッチンペーパーでふき取る
・水洗いは「水洗い可」と書かれたパーツだけにし、洗ったあとは完全に乾かしてから組み立てる
・ステンレス刃は基本的に水洗いせず、取扱説明書の方法でお手入れする
また、刃は長く使ううちに少しずつ摩耗し、同じ設定でも挽き目が変わってくることがあります。「最近、粒がそろわない」「挽くのに時間がかかる」と感じたら、交換用の刃が用意されているか、メーカーの案内を確認してみてください。
私の場合は、手動と電動を両方使っています。手動はゆっくりとした時を過ごす中で楽しみながら使っています。
アウトドアなど、キャンプでも使っています。仕事がある忙しい日は電動を使っています。
そして何より、挽きたてのコーヒーは香り豊かで美味しく、その日の気分で自分好みのコーヒーを入れることができるメリットがあります。ぜひ皆さんもご自宅で試してみるのはいかがでしょう!
コーヒーミルは、手動か電動か、そして刃の種類によって、味わいも使い勝手も大きく変わります。ペーパードリップをおいしく淹れたいなら、粒のそろいやすい臼式(フラット刃・コニカル刃)を選ぶのが近道です。手軽さを重視するならプロペラ式、時間を楽しみたいなら手挽きミルと、ライフスタイルに合わせて選んでみてください。
大切なのは、自分がよく使う淹れ方と挽き目に合ったミルを選ぶこと、そして使ったあとにこまめに掃除することです。お気に入りの1台を見つけて、挽きたてのコーヒーの香りを毎日の楽しみにしてみてはいかがでしょうか。
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